北海道では冬の時期、ちょくちょく交通機関が麻痺します。
筆者が北海道から帰る予定だった2016年12月某日も爆弾低気圧の影響で最寄りの路線は運行を見合わせ、女満別や新千歳から飛行機が出るか分からない状況でした。
普通なら北見で待機して、だめなら延泊すればいいだけのことだったのですが、翌々日には本州で用事があったために、北見から東京まで飛行機なしで帰る事に挑戦することになったのです。
しかしバスも鉄道も麻痺しやすく、途中で頓挫し無駄骨になる可能性も充分に有り得ます。
無事に北海道を脱出し、東京までたどり着く事が出来たのでしょうか?
無事に北海道を脱出し、東京までたどり着く事が出来たのでしょうか?
~本編~
アタック前日の22時12分に北見に降り立った時点での情報を整理します。
アタック前日の22時12分に北見に降り立った時点での情報を整理します。
1.翌日の網走方面の鉄路は全滅
2.旭川方面に向かう列車はほぼ運行不可
3.欠航相次ぎ新千歳空港で利用客が足止め
4.函館本線は運休情報なし
更に欠航が出るであろうことも考えると、飛行機よりも鉄路を優先したいため、函館本線を乗り潰して南下し、北海道新幹線で優雅に帰るという方針を固めました。
そのためには函館本線の通る駅に連絡するバスに乗る必要があるため、まずは北見駅の外にあるバスターミナルに行きました。
事務の人によると、
札幌行のバスは予約で満杯だが、旭川行は予約制でなく、当日に買い求めることが出来る。始発は8:15の便である。
とのことでしたので、取り敢えず明日の便の事はおいておき、宿を探すことにしました。
宿はすんなりと決まりました。この写真は駅前の東横インでテレビをつけベットにドンと座った時に撮ったものです。とりあえず一息つけて緊張が解けた時だったので、よく覚えています。
風呂に入ると寝冷えしそうで怖かったので、そのままベットに入り、寝ることとしました。
翌朝7時に起床し、着替えを済ませて7時40分にホテルを出ました。ターミナルはホテルの目の前だったので、ほぼ同時刻にターミナルに到着し、無事に旭川行の切符を手に入れることが出来ました。
バスは発車10分弱前にやってきました。
気温は-4℃と年末近い北海道ではやや高めですが、勿論氷点下ということもあり、窓にはびっしり結露が出来ていました。
朝食を調達するタイミングを逃した筆者は、このタイミングで1日目から手をつけていなかったアンパンにありつきました。
バスは定刻通り、8:15に出発しました。
途中、上川駅にてトイレ休憩が入りました。
バスは順調に進み、これも定刻通りの11:45に旭川駅前の停留所に着きました。
札幌行の列車は12:00発ということで、急いでホームを駆け上がりました。
無事乗る事は出来ましたが、席を確保出来ず、札幌までの1時間20分、先頭車両のデッキに立つことになりました。
そして筆者は重要な選択を迫られることになるのです。
~ターニングポイント~
札幌に到着した時点で二つの選択肢は、
1.直後に発車する13:32発の特急に乗る。
2.後の14:44の特急に乗る。
先に出る列車は対面でしたが、昼飯を調達するのには時間が短すぎますので、車内販売が駅弁を入荷する長万部駅(15:49着)まで待たなくてはなりません。
また、発車直前の自由席車両で座ることが出来るのかという懸念もあります。
一方で、後の特急に乗った場合、席に座れる上、昼飯をこの時間で確保することができます。
しかし、接続する北海道新幹線は最終便であり、東京の到着予定時刻は23:04と、大幅な遅れが発生した時には東京駅で身動きが取れなくなる恐れがあります。
発車時刻が迫っていて頭が全く回転しなかった筆者は、とにかく「はやくおうちにかえりたい」という信念の元、対面の列車に飛び込みました。
発車4分前に乗車したのですが、なんと席を確保することが出来ました。最初のうちは、車両は登別に向かうであろう大量のアジア人観光客で満たされ、中国語と韓国語が飛び交い、生きた心地がしませんでした。
札幌を発って30分くらいでしょうか。列車が何も無いところで停車しました。何も考えず、更に寝ること1時間。目を開けると、景色が変わっておらず、ポイント故障により列車が立ち往生しているとの放送が流れていました。
これは不味い状況になってきました。最悪の場合、新幹線に乗れず、函館で宿泊する必要が出てくるのですから。
元の新函館北斗の到着予定時刻は16:55ですから、恐らく予定の新幹線に乗る事は出来ません。ただ何にせよ、後の特急に乗った場合にはもう1泊しなければならない事は確実ですから、この列車に乗っておいて正解だったわけです。
結果的には最悪のケースは訪れることなく、80分ほどの遅れで運転を再開しました。また、これに合わせて本列車が北海道新幹線の最終便に接続するという旨が車掌アナウンスでありました。よかったあ。
昼飯は結果として17時過ぎとなり、夕飯と行っても過言ではありませんでしたが、空腹は最高の調味料でして、カニ飯弁当を美味しく頂くことができました。
予定より遅れること1時間。新函館北斗駅に到着しました。
筆者は、他の多くの乗客と共に通路を埋め尽くしながら、新幹線に乗り換えていきました。
18:36に定刻通り、新幹線は新函館北斗を発ち、そして23:04に東京に無事、到着しました。
気になる北海道新幹線の乗り心地ですが、普通車指定席でも十分に広く快適で、個人的には飛行機を使用するよりも乗り心地はよかったです。
札幌方面に向かう人にとっては苦痛となり得ますが、登別位までを目的地とするなら、快適な旅を送りたいならば有効な手段かもしれません。
結果論でいえば午後に女満別を出る飛行機は通常通り動いており、別に無理する必要はなかった訳ではあるのですが、後にも先にもこんなに刺激的で面白かった移動はなかったかもしれません。
この記事を読んでワクワクしてしまったのなら、もし機会があれば(無いに越したことはありませんが、自己責任で)やってみては如何でしょうか?
それではまたお会いしましょう。
最後までご覧いただき、有難うございました
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