国鉄渚滑線 北見滝ノ上駅 2016年

渚滑線 北見滝ノ上駅跡 駅舎 北海道旅行記
渚滑線 北見滝ノ上駅跡 駅舎

紋別市と上川町を結ぶ目的で敷設された渚滑線。
その際に最初に開通した区間の終着駅が、この北見滝ノ上駅でした。

結局石北線の開通により、上川駅までの延長する意義を失い、1985年の廃線まで
終着駅だったこの駅は、今も並々ならぬ助力を受けながら余生を過ごしています。
この記事はここへ2016年8月に訪問した時の話です。


上川市街から紋別自動車道に乗り、浮島ICTで下車
さらにここから国道273号線で40分ほど北上します。
滝上町の市役所から歩いて3分ほどのところに、今日の目的地はありました。
図書館や文化センターに隣接しており、とても好立地です。

この駅は渚滑線という紋別郡の端から端を結ぶローカル線の端の駅、つまりターミナル駅でした。特定地方交通線に指定され、1985年に廃止となりました。
更にここから興部町西部の名寄本線か、石北線に接続する計画でしたが、
土木技術が足りず頓挫したようです。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/journalhs1990/21/0/21_0_175/_pdf/-char/en 
の「土木史研究 第21号2001年5月自由投稿論文 『旧国鉄・渚滑線の形成過程と路線効果』 横山弘著」参照)


因みに廃止当時は屋根の色は青色だった模様です。
早速、駅の中にお邪魔してみます。

入り口から右手の方を撮影したものです。
駅内の雰囲気がそのまま残っていました。当時の駅の様子が思い浮かびます。
左側にはレールや当時の定期券などが入っていました。
中央の障子はホームにつながっています。展示品が至る所にかかっていたり、
置かれていたりして、コンテンツ盛りだくさんです。
左奥には駅員室があり、入ることが出来ました。

特定地方交通線に指定されていたわけですがら、恐らくターミナル駅の駅員さんとしては
寂しいものだったのでしょうか。もし毎日働いていたらある日はるか遠い場所で、
自分の職場が無くなることが決まったとしたら、それはとても悲しいことだと思います。

駅員の椅子のすぐ右に切符入れがありました。所々読める箇所がありました。
無人駅が多かったことから、なるべくこの駅で往復券を購入することを推奨していました。
また、この駅はかつて優良駅として国鉄から表彰を受けたことがあったみたいです。
その表彰状?みたいなものも壁に掛けられていました。

昭和48年ということで、廃止が決定されるちょっと前までは栄えていたんでしょうか。
外に出ると3つ先にあった、滝ノ下駅の駅名標と移動車がありました。
保存状態はまずまずといったところですね。

ここにも「滝」のつく駅名が。どうやら沿線を流れる渚滑川に滝があってその上と下でつけたらしいです。
本来貨車を引く車両ですが、貨物用の引き込み線は撤去されているのでしょうか、
旅客用のホームに安置してありました。

以上が北見滝ノ上駅に展示されていたものです。
資料館としては申し分ないコンテンツ量です。ここが大事に維持され続けているというのは、峠下駅や他の廃駅などを鑑みると、貴重なことであり、熱量を持って保存されているのだなと勝手に想像してしまいました。

今後も大切にされ続けることを願うばかりです。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。

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