コロナ禍での大学授業を振り返る

コラム

本日(3月2日)、筆者が通っている大学で秋学期の成績発表がありました。
筆者は20単位のうち18単位を取得し、平均GPAは2.94でした。やはりオンライン授業が殆どだったこともあっていい成績が取りやすくなったりした所もありそうです。

そういえばオンライン授業って事でまあニュースでも色々大学のことが色々言われていましたね。そこで大学生が出演し感想を言ったり言わなかったりしてたと思います。まあこういうのって人次第ですよね。で筆者の場合は実際のところどうだったというのを話していこうかと思います。

そもそも大学の授業がどんなものなのか気になっている人にも参考になるよう、後半では筆者が受けた授業の振り返りも書いてみました。

前半:オンライン授業そのものの感想 

※筆者の取った授業がどんなものか気になっている人は本ページの一番下から次のページへお進みください。

まず前提としてですが、筆者の学部は文学部系で学内でも指折りのゆるゆる学部ゆるゆる学科です。必修については以下の通りになっています。

1年のうちの必修

・英語   学期毎に1コマ(2単位)自動で割り振り。
・基礎演習 レポートとか発表とかのハウツー授業。 春学期で終わる。 
・二外   第二外国語。1年のうちに終わるが週4回ある。ちょっとキツい。

2年以降の必修

・演習  卒業までに8コマ(16単位)取る。専攻する「論系」タイプと同じのを選ぶ。
・ゼミ? 入るとしたら3年生から。ゼミに通うか卒業研究をするかは自由。

筆者は2年生だったので必修として今学期取っていたのは演習3コマ分でした。また学期ごとの取得可能な単位は22単位まで(更に春学期に22単位取った場合は20単位になります。)となっており、基本的に講義や演習が2単位になっている筆者の学部では11個、または10個までとなっています。また一つの講義・演習の学期内の授業回数はそれぞれ15回になっています。
では以上のことを踏まえて筆者の時間割を見てみましょう。

他学部の方には申し訳ないくらいスッカスカ。これで学費が他学部とあんま変わらないのおかしくない…?

全部で10コマです。
このうちオンライン授業でないのは土曜の「地理情報システム論ⅱ」でした。Arcmapと呼ばれる有料ソフトを自宅で使うことが出来なかったためにキャンパスの特定のPC室まで通学する必要がありました。

そこで問題になったのは交通費でした。週1で通うとなった場合は定期券では元が取れません。結局の所、最初の1回だけ普通に払い、それ以外は土日専用回数券(10回分の料金で14回使用できるものです。)を使用しました。ちなみに元が取れるようにするには週3回以上は通学する必要があるようです。


後の授業はオンラインだったのですが、
オールZOOMだったのが「スタン演習」と「都市社会学演習」の2つでした。
他の授業はオンデマンドメインでZOOMはせいぜい片手で数えられるほど。

で、問題のオンライン授業がどうなのかですが、まそんな単純な話ではないでしょう。
ただ取り敢えず色々言われてることで「そんなこと無いかな」という事を先に挙げておこうと思います。

スポンサーリンク

「授業の質が悪い」
ネットの環境を最低限整備しておけば問題が無いと思います。これについては自分の大学の場合はネット環境が整ってない人に器具を提供していたという事が大きいと思います。昨年で授業を受けている限りそんなオンライン授業より良い事は「少なくとも授業自体は」なかったと思います。

当然のことながら対面授業では出席カードを配ったり謎の間があったりしており、そこをバッサリと切れたオンデマンドは元々大学が提供している授業の「質」がむき出しになっていると考えられます。極端な話「オンライン授業の質が悪い」は「大学の授業は質が悪い」という事を言っていると捉えられる事ができるでしょう。また筆者はZOOMに慣れるまで時間かかりましたが、これは対面で人と打ち解けるのに苦労したのと同じもののように思えました。

またオンデマンドの再生速度の変更で大学の授業時間を短縮する(又は分からない所をもう一度再生する)ことで他の活動に時間を割いたり、理解を深めることが出来るという点ではオンデマンドは優れているのは確かです。また授業ごとに掲示板が用意されており、以前より質問しやすい環境になったのではないでしょうか。ただし実習系がオンライン授業で行われることについては問題だと思います。

「学費に見合わない」
これも授業の質の話と同じように思えます。ただし経済的に困窮している人に手を差し伸べるべきだという意見を否定するものではありません。

これらの前提に基づいて「良いんじゃないか」「なんだかなあ」と思わされた事をいくつか(本筋とズレることも少なくないとは思いますが)話していきたいと思います。

「課題が重くなった」
筆者自身もtwitterでこういう愚痴は少なからずしていました。ただでさえオンライン授業で眼が疲れている中で出席カードの代わりなどでミニレポートを課されるのはかなり堪えました。一方で(少なくとも筆者の場合ですが)講義で学習した内容の理解を深めることにコンセプトを置いた課題が多く、有意義なものだったと思います。それにオンデマンドの場合は講義を視聴しながら課題を進めていくことも出来たのは良かったことでしょう。個人的にはここから何か改善を要求したいとは思っていません。

「人に会えない」
まだ2020年現在では専ら1年生に限った話ですが、来年度以降入学してくる新入生においてもそれまでに比べて対人関係が狭くなってしまった事が大きな問題となっているのは間違いないでしょう。もっと言うならこれはこれから大きくなっていく問題でしょう。一方で現在2年生以上の人たちは自粛を要請されようがそこそこ知り合いが多いので自粛とか気にしない人は頻繁に集まっています。飲んでる人も飲んでます。現に筆者も同級生が飲みに誘われる事は少なくありません。とても褒められることでは無いのは間違いないでしょう。

「定期がないと図書館に通いづらい / 資料を集めづらい」
筆者の場合はキャンパスで授業があった土曜日になんとかしていましたが、全部オンラインの授業だった場合に図書館にわざわざ定期なしで向かうのは時間やお金が惜しいように感じます。…少しガバな考えなのは否めませんが。ちなみに資料のオンライン化は全く進んでいません。仕方のない話だとは思いますが。



あれやこれや言いましたが、筆者は「実習系じゃない授業のオンライン化」はよかったと思います。なんと言っても朝夕限らずラッシュ時間帯の電車に乗らなくて済むようになったのは本当に助かります。あと出来ることなら「一限はオンライン授業だけ」とかにしてくれると嬉しいですね。


後半:(おまけ?)授業毎のレビュー


逆評定ではありませんが授業ごとのレビューを簡単にしていきます。

「地域・都市の歴史」 月曜2限目
5回程ZOOMで行い残りはオンデマンド。専ら日本国内の都市、というか殆どが東京、それも明治以降の話でした。当時の新聞や統計とかを見ながらゆったり進みました。この授業に限られる話ではありませんが、普段オンデマンドで1.6倍位で見てる授業をZOOMで等速で聞かなきゃいけないのは少しもどかしい感じがします。学期末は資料参照可で範囲を事前に指定して上での教場レポートでした。文字数は800字程度×2問で事前に構想だけは練っておきました。
試験時に配布されるwordファイルに解答を打ち込んで時間5秒前に提出しました。


「アジアの地域・都市の歴史」 月曜3限目
授業は全てオンデマンドでそれとは別にZOOM回を2,3回授業時間外で開催していました。オンデマンドで拾いきれなかった質問などに対応していたようですが筆者は参加しませんでした。これもほとんどが明治以降の台湾の話でした。毎回視聴後にアンケートに解答するのですが、先生はその解答を次の授業の際にリストアップして見せてくれました。課題は学期全体でミニレポートが2本。前半のレポートは参考文献込みで1枚ということで逆に苦労しました。


「芸術と社会」 火曜3限目
授業はすべてパワーポイントで進行し、授業ごとに試験が選択肢形式で行われました。パリ・NY・東京・ソウルにある芸術について扱います。テストは殆ど授業を効いてなくてもパワポで調べてそれで分からないものはググって答えを書ける内容でした。いわゆる楽単枠でしょう。中間回と最終回に扱った4都市のうち何処に行きたいか400字位で聞かれました。筆者は両方ともパリを選択し同じような記述をしましたがAをもらえました。


「地域・都市論研究」火曜5限目
全てオンデマンド、というよりレジュメで進行しました。出席認定条件は授業15回のうち7個に200~500字の感想を記入。レポートはそれとは別の回のものに1000字以上の書き込みを4回する事で提出を認めるという事で少し重いな~くらいに思っていたのですが、そのための参考資料が箇条書きだった上に添付されていた音声リンクが資料まるごと切れている、なんてことが数回あったので面倒になって5回目くらいで切ることにしました。


「地域・都市論演習」火曜6限目
切った授業と同じ先生が担当されたZOOM演習です。課題は文献を2回、一方は肯定的にもう一方は否定的に読んで20分ほどで紹介するというものでした。期末は自分でテーマを見つけて6000字以上で提出です。切った授業のイメージで偏った見方になっていたらアレですが、授業後に質問をしてみると先生が矛盾してしまい…次の授業内でその事を知らない生徒たちに釈明するなんて事が数回あってなんだかなあという感じでした。ただ評価はA+を付けてもらったのでそこは満足です。


「公共事業論」水曜4限目
全てオンデマンドで進行しました。初回で公共事業のあり方についてイズムが濃い授業をしたこともあってその後も色濃くイズムの濃い授業が続きました。授業後に任意で提出する感想フォームが設けられており、2回だけそれに返答する回がありましたが筆者のした質問は扱われませんでした。レポートは2000字弱のレポート1本提出するのみだったので比較的簡単に終わりました。

スポンサーリンク



「公共性の哲学思想」 水曜5限目
音声付きのパワーポイントで進行しました。授業ごとに設けられていたテストは翌火曜日までのゆったり仕様。音声の速度変更の仕方が分からなかったので視聴する前日の寝る前にパワポを動画化して視聴しました。時々他大学で使っているパワポの使いまわしなのが分かる場面もありましたが、かなり丁寧に解説がされていたので個人的には大満足です。


「スタン演習」 木曜6限目
「スタン」とは旧ソ連内にあったカザフ・ウズベク・キルギス・トルクメニスタンの事を指しています。研究所にずっと務めている研究者が先生で事前に参考文献を配布し、学生側はそれを読んでZOOMで感想や意見・疑問を発表するというものでした。学生の中には海外に住んでいたり長期的に滞在した経験のあるプロみたいな人もいて、論系の中ではかなり意識が高い演習になっていたと思います。学期末は一つの学術書を自分で選んで発表するというものでした。筆者は「交通ライター」が書いたという学術書と呼べるか怪しいものを間違って扱ってしまいましたが良い評定をくれました。


「統計学演習」 金曜4限目
演習の中では珍しくオンデマンド形式で行われました。内容としてはほぼ講義と同じものだったと思います。ずっと1.4倍速くらいで聞けるという点やレポートの形式について復習が出来る他、1年生の時にやった基礎演習でやらなかった統計の基本を学ぶことが出来たことは良かったのですが、毎回エクセルやSPSSで簡単に作成した図や表をワードで提出する課題があり、目が一番疲れた授業でした。


「地理情報システム論ii」 土曜2限目
唯一キャンパスで授業が行われました。前ページで述べた通りですが、この授業で使用するソフトが大学の特定の教室でしか使用できないものだったためです。他学部が設置した授業でしたがいろんな学部の人が参加していたこともありそんな肩身が狭いということはありませんでした。また春学期に前提となる授業を受けていることが前提ということもあり、筆者を含め受講した生徒は7人でした。先生が一人ひとり様子を見に回ってきてくれるのでとても助かりました。

以上です。タイトルとシラバス、逆評定本を見て一年生の時から取ろうと思っていた授業ばかりだったのですが、授業を受けてみると好みが分かれるようなものばかりだったなと思わされます。筆者と同じ大学に通っている人の参考になれば幸いです。

最後までご覧いただきありがとうございました。

コメント

タイトルとURLをコピーしました