旅程崩壊時の対応マニュアル

現在、旅行は今まで以上に難しいものとなりました。
感染症の流行や線状降水帯が頻発などにより、休業や交通機関の麻痺といった思わぬアクシデントになる見舞われる事が増えた為です。

もとよりトラブルは付き物でしたが、今やそのリスクは常にあると言っても過言ではないでしょう。

従って、旅行を楽しく過ごす為にトラブルに対処する方法が必要になってきました。
予定の組み直しが必要な「旅程崩壊」時の方法についてまとめてみました。

この記事では、スライドを使いながら説明します。
お急ぎの方はまず画像だけを見て、それからわからない部分について記述を確認するといいかもしれません。

またここでは複数の想定に対応した説明をしています。
必要がないと思われるステップは適宜省略して下さい。

概要:立て直しが必要かを確認し、あれば方針を再設定する

旅程が崩壊した際には、多くの場合いずれかの場面で旅程を組み直す事が求められます。
そのステップは上の3段階に分かれます。

特に2・3段階目は納得の行くものにするために、旅行の目的にまで立ち返って考える事が肝要です。それ故、以下のような手順を踏む事が想定されます。

このような段階を踏めば、問題を回避しつつ、自身へ説得力のある旅行が再開出来るのではないかと仮定しました。

それでは各手順について、述べていきたいと思います。

0.立て直しの準備 本当に必要か?必要ならどこでやるべきか?

崩壊に直面した時、旅行の達人でなければ少なからず動揺します。
しかし、後から考えれば大した事が無かったという事もあるでしょう。

大事か無事なのかを判断する基準は大きく2つです。
1.どこで発生し(場所)、
2.どれだけの影響を受けたか(時間と場所)
です。
この「どこで」については、現在地・経路・移動先の3つのうちどれに分類されるかも考えておくといいでしょう。

影響については、そこでの行動(出発・滞在・到着)が可能や、時間がどれだけずれ、行動に支障が出るかを簡単に計算してみましょう。

例えば大雨により駅が冠水してしまった場合、発生地は駅(あるいは経路も)で出発が不可能となります。代替交通機関が運行していたとしても一時間ほど遅れる可能性があるでしょう。移動先での観光が出来なくなったり、宿泊地への到着が難しくなるかもしれません。
恐らく立て直しが必要となるでしょう。

一方で観光が出来たり、宿泊や食事などへの影響も見られない場合は、立て直しの必要はありません。

もし立て直しが必要となった場合は、まずはそのための準備をしましょう。
必要なことは、
1.安全かつ作業出来る場所であること
2.検討に必要な持ちものが揃っていること
3.立て直しが適切なタイミングを見計らうこと
の3点になります。

まず崖近くを移動中に駅冠水のニュースを聞いたとしても、その近くで作業しようとすることは、命を危険に晒すことになるかもしれません。被災するリスクが少なく、かつベンチがあったりするような落ち着ける場所で取り組みましょう。

そして検討時には情報を集められ、その情報や考えを纏められるものを揃えましょう。
機能だけで言えばスマホ一台で済むかもしれませんが、画面の切り替えが面倒なので複数用意するか、メモ帳を使う事をオススメします。

また周辺地域のアクセスが全て遮断され、復旧の目処が立たない状況であれば、暫く待ちましょう。強行突破は自身を危険に晒し、他の人の迷惑になる恐れがあります。

1.立て直しの準備が出来たら 再検討の3ステップ

いよいよ作業に取り掛かります。基本は上図の3ステップです。必要な情報を収集し、ベストな行動を考えます。

1-1 崩壊の把握

準備の段階で行った問題の状況分析を、もう少し細かく行います。他の方法を検討する場合、利用する予定だったものに限らず、様々な交通機関に調べることが求められるからです。

従って抑えるべきポイントについては準備の時と同じです。A.どこで何が起き、B.どう影響があるのかを調べましょう。

先述の通り、代替経路やほかの路線の状況も把握の範囲に含まれます。余裕があれば、他の地域での問題も抑えると良いでしょう。

そして、その問題が予定にどう影響するのか考えます。出来る限り〇分、と定量的に抑えることをおすすめします。

とはいえ当初から分単位のスケジュールを組んでいない場合は、イベント(観光や食事、宿泊)が予定通り行えるか、またはほかの予定に支障がないかを調べる程度で大丈夫です。

ここで予定通りに勧められたり、支障がない事が分かったりした場合は、代替手段を考える必要はありません。3ステップ目(1-3)に移動します。

1-2.代替方針の検討

立て直しのコアは、方針を決め、具体的なタイムテーブルを作ることです。ここではそのうち前者を行います。

2ステップ目はさらに細かい3つのタスクによって構成されます。目的を確認し、幾つかのプランを作成した上で、どれが1番いいと思うかを選択します。

1-2-1 旅行目的の再確認

1つ目のタスクは目的の確認になります。既に確固たる目的を意識できていなければ、再確認しないと目的を達成する可能性を見落とすかもしれないからです。

ここでは旅行の目的として、「何の価値に対し・どのようなあり方を求めるのか」を、場所と経路で区切りながら考えていきましょう。価値は色々ありますが、一例として「コンテンツ・食・金額・時間・経路的難易度」というフレームワークを挙げたいと思います。

1-2-2 行き先と予定の再検討・行動の選択

目的を再確認することで、いよいよ方針を決定することが出来ます。候補地や代替経路をリストアップし、それが自身の目的にどれだけ答えているのかを考えることで、満足度の高い旅行を送れると思います。

この2つ目のタスクは「A.代替プランの設計と評価基準の設定」と「B.プランの評価付け」の小タスクで構成されています。

まずは候補地、あるいは代替経路を挙げてみましょう。適当にウェブサイトで調べたものでもいいですし、ここがいいと思うものを知っていれば、それを挙げるのもいいでしょう。

その上でそれらを比較するにあたって、どのような基準を設けるかを考えましょう。この際、1-2-1で見出した価値を使う事を強くおすすめします。そうでなければ目的がプランの評価において反映されにくくなるからです。ここでは既に1-2-1で用いた「コンテンツ・食・金額・時間・経路的難易度」を再利用することにします。

そして各基準がどれだけ大事なのかも順位付けするなどして確認します。一般的に1-2-1で沢山でてきた価値ほど重要になってくるでしょう。

もしここで代替地が見つからない場合はその場所に残るか、あるいは撤退(≒帰宅)することを選択する必要があるかもしれません。

次に評価付けを行います。Aで設けた基準を元に、目的地、あるいは経路を比較します。このまま比較判断をしてもいいですし、それぞれを点数化して各基準でのスコアの積・または和を用いて判断してもいいと思います。基本的には最も評価が高い場所・経路を目的としたプランを作ることになるでしょう。

但し、最も重要なことはその評価に納得出来るかです。もし納得いかないところがあれば、基準の設定か、あるいは目的地のスコア付けに問題があるはずです。これらを再確認してみましょう。

1-3 具体的な計画策定

ここまで来れば、後はスケジュールに落とし込み、それを行うにあたって必要な手続きを済ませるだけの筈です。

このタスクにおいても、「A.スケジュール策定」と「B.旅行再開準備」に分けて説明します。

まず具体的なタイムスケジュールを作成します。予約のキャンセルや変更、更には食事の調達の必要性などを忘れないよう、元々のプランと比較しながら作ることをおすすめします。

スケジュールが完成したら、それに基づいて旅行が再開出来るように準備を進めます。スケジュール作成時にわかった手続きや荷物の調達をいつするか決めましょう。これで問題を回避していて、しかも楽しい旅行を再開することが出来るはずです。

それでも心配な時は、スケジュールを適切性・充実性・必要性の3点から確認してみることをオススメします。問題があれば、プロセスのいずれかで見落とした点があると思われます。確認し、その点を修正することで解決出来るはずです。

旅程の立て直しマニュアルは以上になります。納得いく旅を作り直せたのではないでしょうか。これからも様々な要因で見直しを迫られることがあるかもしれません。その際は目的を意識しながら、今まで述べてきたステップを用いて修正を図りましょう。また、ご自身でより適切な手法を見出すことも有効です。

良い旅をお過ごしください!

最後までご覧頂きありがとうございました。

関連記事

北見から飛行機なしで一日で帰京した話

体系的に旅程の組み直し方を行わなずに東京まで撤退した話です。
ドキドキ感を楽しみつつ、マニュアルと見比べながら、この判断が良かったのか考えるのも良いかもしれません。

コメント

タイトルとURLをコピーしました